関口一郎(せきぐち いちろう)「学ぶ」から「使う」外国語へ
集英社新書0029E
意外と面白い本です。
たとえば、作者がドイツ語を勉強し、
大学助教授になってからドイツに研究する機会をもらってドイツに研修しに行く話です。
最初は語学研修のコースです。クラス分けの試験を受け、最上級クラスに入ってしまいました。
翌日から始まった授業で、自己紹介が始まります。
作者の関口が挨拶、名前、そして結婚しているさえ言おうと思ったが、
「結婚している」という単語が思い出せないのです。そして、以下のように書いてあります。
外国語会話での悲しき現実は、
「思い出せない単語は、まずほとんど思い出せない」ということである。
p、61
「ご職業は何ですか」
言葉が続かず沈黙している私に、先生が助け舟を出してくれた。助け舟.......確かに先生はそのつもりだったろう。だが、私にとっては泥舟に乗って沈め、というようなものである。ドイツ語での自己紹介もまともにできない人間が、どうして「大学助教授、担当科目はドイツ語」と言えようか。
沈黙が絶句と化した状況で、私を包んでいた悲劇は先生の方に乗り移った。現代社会において、人には言いたくない職業を持つ人間にその仕事を問うのはハラスメント(嫌がらせ)の世界である。絶望感に引きつる私の顔の訴えを誤解した先生は、先生として自分がしてはならない決定的な誤りをしてしまったのだと理解し、
「すみません、けっこうです」
と言いながら、とりあえず私を座らせ、次の受講者の自己紹介へと駒を進めた。
此外 作者也在p.86提到
他在德國學德語 以主題做筆記的經驗
很有趣